中島晴矢個展「ガチンコーニュータウン・プロレス・ヒップホップー」

中島晴矢個展「ガチンコーニュータウン・プロレス・ヒップホップー」

会期:2014年6月20日(金)~24日(火) 11:00~22:00
オープニングレセプション:20日(金)18:00~(Food:岡村飛龍)
イベント:・20日(金)19:00~ オープニングパフォーマンス「現代美術デスマッチ」
マスクド・ニュータウン VS バビロン石田
・21日(土)19:00~ ライブイヴェント“Nigger in Woods vol.2”
【Hip Hop Live】1010、カムエムシィズ、緩急、Stag Beat
【Beat Live】RUN DA BOUT、MATATABI
・22(日) 19:00~ アーティストトーク「リアルとフィクションのアングル~渋谷・郊外・東京~」
中島晴矢、ゲスト:齋藤桂太(渋家)、司会:木村奈緒

 この度、高円寺にあります素人の乱12号店「ナオ ナカムラ」では、中島晴矢個展「ガチンコ―ニュータウン・プロレス・ヒップホップ―」を開催いたします。
 中島晴矢は、1989年神奈川県横浜市生まれ。法政大学文学部日本文学科を卒業、2008~2009年に画家の内海信彦氏による美学校の「絵画表現研究室」、2010年に現代美術家の松蔭浩之氏による「アートのレシピ」を受講しました。また、渋谷にあるシェアハウス「渋家」の立ち上げより参加・活動してきたかと思えば、HIPHOPユニット「Stag Beat」でラッパーを務め、またある時は、演劇家の芥正彦氏演出の舞台に役者として参加するなど、ジャンルにこだわり囚われることなく横断的に活動してそれらの要素を相互浸透させて発表していく新進気鋭の作家です。2012年には、個展「REACH MODERN」(ギャラリーアジト/名古屋)を開催し、大きな反響を集めました。本展は中島にとって2年ぶり2回目となる個展です。
 2020年、東京オリンピック招致決定に伴い、東京という「都市」をどうデザインしていくべきか――。民主主義をスルーするかのような一方的で膨大な未来の都市計画が討論されている最中、中島は自身を含む日本人の多くが生まれ育った「ニュータウン」(郊外)と、中島の昔からの溜まり場であり東京の文化発信の代表都市とも言える繁華街「渋谷」にフィーチャーすることで、自身の精通したルーツである2つの都市を再構築し提案します。
また、中島は中学受験が終わるとともに、「プロレス」と「ヒップホップ」にのめり込みました。ニュータウンには存在しない非日常のエンターテイメントとしてそれらが中島の生活に浸透していきます。「前者(プロレス)は圧倒的な身体性と祝祭性をもって、後者(ヒップホップ)はノイジーなサウンドとブロークンな言語体系もって、私の日常を囲繞する〈システム〉を揺さぶってきた。」(作家ステイトメントより抜粋)
日本の郊外化が進行する中、その郊外化ゆえに生じるアンビバレンスをプロレスやヒップホップを用いて作品に落とし込みます。
 中島は“父親がプロレスラー”でもなければ“ニューヨーク育ちのヒップホッパー”でもない“何者でもない自分”だからこそ“何者にでもなれる自分”を強みとして活動し、あえて言えば「ワナビー」(wanna be = 〜になりたい)な精神で表現を続けているのではないでしょうか。
 本展覧会では、中島の構想する「都市」を立体作品や平面作品、インスタレーション作品など20点以上に及ぶ新作で構成します。
また、展覧会初日である20日には、オープニングパフォーマンス「現代美術デスマッチ」と題しまして現代美術に関するものは武器としての使用を認めるとしたプロレスを行い、パフォーマンス後にはその痕跡を展示します。21日にはライブイヴェント「Nigger in Woods vol.2」、22日にはアーティストトーク「リアルとフィクションのアングル~渋谷・郊外・東京~」を開催いたします。
 中島にとって2年ぶりとなるガチンコ勝負をこの機会にどうぞご覧ください。