天才ハイスクール@素人の乱 第1回展覧会「カミングアウト!!!!!!!! ―親戚のお姉さんのパンツを食べたことからはじまる―」展

天才ハイスクール@素人の乱 第1回展覧会「カミングアウト!!!!!!!!
―親戚のお姉さんのパンツを食べたことからはじまる―」

会期:2011年11月25日(金)26日(土)27日(日) 13:00~21:00
会場:「GARTERギャラリー」「素人の乱12号店」「なんとかBAR」他
参加作家:会田誠、卯城竜太(Chim↑Pom)、臼田知菜美、大島嘉仁、堅田好太郎、キュンチョメ、志水佑、西村健太、宮嵜浩、涌井智仁 

 この度、天才ハイスクール(美學校/現代美術セミナー)は高円寺の素人の乱にて「恥」をテーマにした展覧会「カミングアウト!!!!!!!!―親戚のお姉さんのパンツを食べたことからはじまる―」を開催いたします。
恥は、自分と他者との関係においてはじめて成立します。情報化社会により身体的コミュニケーションが不足した現在では、直接的な恥をかく/かかされる機会は少なくなったと言えるでしょう。その一方で、情報の流出など匿名性を持った予期せぬ恥に見舞われ人生を狂わされる人も出てきました。しかし、恥とはただネガティブなものでしょうか。恥はすべて自分の身から出るものです。人はこれまで恥をさらけ出すことで自分をさらけ出し、それによって仲間の信頼を得、また新しい価値観に出会ったりしてきました。
「天才ハイスクール」の最初の授業で受講生たちは、自己紹介のように自分の「恥」を暴露し合いました。
小さい頃親戚のお姉さんのパンツを食べたこと。「先生がんばってくるね」と教師を辞めて変態的作品を制作していること――。
堅田好太郎は、壁にアイドルのイメージDVDを投影して疑似恋愛をします。アイドルDVD特有の疑似コミュニケーションの特性を生かした彼の作品は、その馬鹿馬鹿しさに笑わされながらも見る側に何とも言えない恥ずかしさを覚えさせます。
臼田知菜美は非喫煙者として喫煙所コミュニティに憧れを抱き、さまざまな喫煙所で煙草を貰うことを試みます。老若男女と対象を選ばない彼女のコミュニケーションは、希薄になった人間関係の構築に体当たりで挑戦しているようです。
今回、彼らのほかにゲストとして会田誠氏と卯城竜太氏(Chim↑Pom)にも参加していただきます。
会田誠はロリコン、エログロ、戦争、社会通念など、人間や社会のまさに恥部をさまざまな方法で作品化する美術家です。
卯城竜太は社会的メッセージの強い作品で知られるアート集団、Chim↑Pomのリーダーであり天才ハイスクールの講師です。今回、卯城はChim↑Pom結成前に制作した最後のソロ作品(未発表)を初公開いたします。
また会場となる「素人の乱」は、高円寺北中通りの若手店主たちによるコミュニティです。数万人規模の脱原発デモを組織する他、レディ・ガガへの衣装提供などで注目を集めるアパレルショップ「キタコレ」など、世界へと広がる独自の地域活動で知られています。今回は素人の乱3会場を中心に、その周りのデッドスペースを使った複合的な展示になります。
―穴があったら入りたい―
本展は展示スペースそのものを「穴」とみたて、彼らが感じる「恥/作品」をそこに埋め込みます。身を隠すための穴、恥を暴露できる穴――、会場はさまざまな恥の”穴場”となるでしょう。この機会にどうぞご覧ください。
ディレクター 中村奈央


 【artscape 2012年01月15日号(artscapeレビュー/プレビュー)】天才ハイスクール!!!! カミングアウト!!!!!!!!|福住廉

「月刊美術No.436」の38頁「未来へ、ともに歩んでいきたい!」